彼女たちはいつだって「素手」だ。その偶像を、より大きく見せるための過剰な「物語」という「武器」を持たない。
そういった「物語」は、彼女たちには馴染まない。もちろん彼女たちのこれまでの軌跡は、充分にファンの心を動かす「物語」かもしれない。しかし、彼女たちはそれを「武器」にはしない。
ネット検索中に、昔大好きだったアイドルグループのライブレポに出会った。そのグループのある年の春に開催されたツアーのファイナル公演のレポだった。
このファイナル公演は私も参戦したので、懐かしく読ませてもらったのだが、記事の中でやたら印象的な箇所があって、それを上に引用させてもらった。グループの名前を出すことはこの記事の目的に反するところがあるのでそこは「彼女たち」に勝手に変えさせてもらった。
"決してその軌跡を「物語」として武器にはしない。いつだって「今の自分達」で「素手」で勝負する。"
それがかつて数年に渡って私がそのグループに夢中だった大きな理由であり、今も結局夢中になれるのはそういうグループだ。