一昨日のことになるが、行きたい場所への近道になるからと、自分が住んでいる町ながらも通るのは何年ぶり？っていう道を通ったのだけど、その道すがらには中学生の頃の忘れられない思い出に繋がる一軒の家がある。壁の塗り替えや屋根瓦の葺き替え、庭木の植え替えなどで外観は変わっているけれど、建屋そのものはあの頃のままのその家は、小学5年の時から中学3年間の間で仲が良かったYってヤツの一家が住んでいた家であった。そこは借家らしくYの一家はYが高校生だった頃にどこかへ引っ越してしまったと聞いている。その頃には私とYとの付き合いも途切れてしまっていた*1から詳細は判らない。
中学2年から3年の初め頃にかけて学校帰りにそのYの家にそんなに頻繁ではなかったもののよく遊びに行っていた。その時にYの部屋のラジカセで聴かせて貰う形で知ったアーティスト群が、様々な音楽が私の音楽好き人生の根っこの一部になっていることは恐らく間違いない。
Yのカセット・コレクションを思い出した順番で上げていくと、YMO、プラスチックス、スネークマンショー、RCサクセション、松田聖子、クールス、アナーキー、松任谷由実、尾崎亜美、中島みゆき、浜田省吾、甲斐バンド、オフコース、オリビア・ニュートン・ジョン、ABBA、ビリー・ジョエル、ジャパン、チープ・トリック、ボストン、アース・ウインド＆ファイアー、ロッド・スチュワート、レッド・ツェッペリン、レインボー、KISS、TOTO...
ずいぶん幅広い趣味の中学生だったんだなと思われるかもしれないが、このYという男、悪く言えば八方美人的なところがあるヤツで、クラス内...いや学年内に自然にできる様々なグループ（部活に懸命に取り組むスポーツマン達、ツッパリの一団、バンドやってる連中、現代で言う所のヲタクっぽい連中、ミーハーな連中等々）の間をその時その時の自分の都合で行き来していたのだが、行った先のグループにいる音楽好きな奴と仲良くなる度に、カセットテープを渡してレコードからダビングしてもらっていた。彼等と話を合わせるYなりの手段の一つだったのだろう。
正直、その頃Yとどんな話をしてどんな遊びをしていたとかは思い出せないのだけれど、Yのカセットコレクションを聴かせてもらった思い出だけは、ずっと残っている。手元にジャンルに寄らない様々な音楽がある楽しさを最初に知ったのは、間違いなく中学2年の時に幾度となく訪れたYの部屋でだった。久々にそのことを思い出したので、ここに書き記したくなった次第。
*1:Yとは中学卒業以降全く疎遠になってしまった
