空中散歩ブログ

そらなか004の思い出の保存庫です

何年かおきに思い出す事

 2000年の初め頃だったかな。あるロック好きな女性*1が運営する音楽系個人サイトに設置してあったチャットルームに出入りしていたことがあった。初めて参加してから3か月くらいの間、週に2、3回くらい私はそこに参加していた。そこを理想的な形で音楽談議が出来る場所として当時の私は大切に思っていた。

 そのサイトは音楽系とは言っても、データベースに使えるような資料的なコンテンツがあるわけでもなければ批評系サイトでもない、ただ音楽好きな個人が好きなロック・ミュージシャンやアルバムを紹介している小規模なものであった。そのチャットルームにしても様々な音楽ファンが出入りしているわけでもなく、そのサイトの掲示板の少数(((せいぜい6、7人))の書き込み常連者*2がリアルタイムで交歓する場として機能しているだけだったと思う。そのチャットルームの主のような存在だったブラックミュージックに精通したベテラン音楽ファンの中年男性や時折参加してくるサイト管理人の女性を中心に、ロック、ソウル、ジャズ等音楽談議に花を咲かせていた。結構実のある話も出てきていて、楽しみながらも勉強させてもらうことも多かった。

 そのチャットルームのローカルルールとして私が参加する前から守られてたことがあって、それは「あくまでこの場に集って語り合う」というものだった。あの場所ではメールアドレスの公開は禁止。本名を名乗り合わない、オフラインでの交流*3はやらないってのが、結構厳格に守られていた記憶がある。

 2000年の今頃の時期だったと思うが、当時使っていたパソコンの不調や私生活の都合などが重なって半月~20日くらいの間ロクにネットに接続できない日が続いたのだが、その間にそのチャットルームは閉鎖されてしまった。サイト管理人の女性がロックと同じくらい好きなサッカーをサイトのコンテンツに加えるべくサイトの更新を一時休止して大きく改装することを決意された為だった。以後そのサイトにチャットルームが復活することはなかった。ついでにサイトの掲示板もその時に一緒に廃止されてしまっていた。

 前述のローカルルールがしっかり守られていたから、そのチャットルームで知り合った人達のことはそこで使っていたハンドルネーム以外は何も知らなかったので、チャットルーム閉鎖によって一気に繋がりが切れてしまった。大切に思っていた繋がりだっただけに当時は軽い喪失感に駆られていたのを憶えている…

 あれから二十余年。何年かに1度くらいに、ふとしたきっかけで思い出す、ネット上での交流に結構積極的だった時代の思い出である。

 

*1:音楽関係者とかではなく全くの一般人

*2:私もその一人だったわけだ

*3:要はオフ会