空中逍遥ブログ

そらなかのちょっと長い呟きです。

軽くお題に沿ってみる

今週のお題「我が家のご馳走」

 とはいえ、我が家の秋の食卓に並ぶ「ご馳走」の話ではなく、秋になると必然的に食卓に並ぶ確率が高くなるお魚の「サンマ」にまつわるお話をします。人並みに秋の脂の乗ったサンマは子供の頃から大好きですが、そのサンマをより美味しく感じるようになった決定的なきっかけというのを二つほど私は憶えていまして...

 ひとつは子供の頃に読んだ水島新司先生の野球漫画「ドカベン」のある場面。ひょっとしたらアニメ版の方がそうだったのかもしれないけど、30数年前のことなので記憶は曖昧。"葉っぱ"こと岩鬼正美が、(恐らく)野球の特訓中に"ドカベン"こと山田太郎の妹サチ子からサンマ弁当の差し入れされます。日の丸弁当にサンマの塩焼きがまるごと一匹か二匹入れてあるやつね。お金持ちの息子で魚といえば鯛しか食べたことがない岩鬼でしたが、恐らくまだ焼き立てであったのであろうサンマの美味さに大感激して、口では「マズい、マズい(岩鬼は天性の天邪鬼)」と言いながら、あっという間に大きな弁当箱(ドカベン)に入ったサンマ弁当をたいらげてしまいます。

 もうひとつは、それから後年になりますが、落語の「目黒のさんま」。三代目・三遊亭金馬のものだったと思います。ある殿様が、馬で遠乗りで出かけた先の目黒で、民家から匂ってきたさんまを焼く香りにひかれて、はじめてさんまの塩焼き("隠亡焼き"というさんまを直に炭火の中に放り込む焼き方らしい)を口にする場面の描写を聞いてから。


三遊亭金馬(三代目) 目黒のさんま* - YouTube

 ↑さすがに私は炭火で直に焼いたサンマは食べた事はありませんが、この金馬の噺で聞けるさんまの隠亡焼きの描写はヨダレものです。

 今でも、秋の食卓でサンマを口にする時には、このふたつのサンマにまつわる話(噺)が頭を過ぎります。私は「ドカベン」の岩鬼や、「目黒のさんま」の殿様の心持ちを想像しながら、秋のサンマを美味しくいただくのです。(笑)