これも最近手元に戻ってきたCDです。三上寛の1971年発表の傑作アルバム『ひらく夢などあるじゃなし』。
Amazonのマーケットプレイスで購入したんだけど、私としては2002年にエイベックスからリリースされたURC(アングラ・レコード・クラブ)作品の再発シリーズの中の1枚であった同盤を購入したつもりだったのだけど、我が家に届いたのは1990年代半ば頃に東芝EMIからリリースされていた【Q盤】なる1970年代の日本のフォーク/ロックの名盤の再発シリーズの中の1枚として世に出たCDでした。文句のひとつも言いたくなるところだけど、ブックレットも、タスキも、盤そのものもキレイで何も問題もないので、まあよしと。別にレーベル・コレクションをしてるわけでもないしね。ただ13年前のではなく、20年近く前に出た古いCDだってことだけ。
さて、ここで聴ける三上寛の歌。「怨歌(えんか)」と呼ばれるのは正に言い得て妙で、誰に向けているのかは知らぬが三上寛の恨み節の絶叫。若き日の三上寛の内面にとぐろを巻いていたドロドロした感情や欲望が溢れ出して、やがて波となり怒涛の如くこちらに押し寄せてくるかのよう。真昼間に聴いていると、コールタールのように真っ黒いその波がより鮮明。その日の気分次第では吐き気を催してくるかもしれない。
タチの悪いジョークだなと苦笑いなどしていられない。あっという間に波に飲み込まれてしまう。CDプレーヤーに放り込んだ以上は盤の中の三上寛と対峙しないといかんのだ。(笑)