空中散歩ブログ

そらなか004の思い出の保存庫です

15年前の不思議

 私が使っているベッドの下には底にキャスターのついた引き出しがあって、結構な収納が可能です。本日の夕方、ちょっと探し物をしていて、何年ぶりかにその引き出しの奥の方を見たんですけど、そこからなにやら紙の束を発見。取り出してみると、それはホッチキスで留められた色褪せた古いプリンター用紙の束でした。

 なんと懐かしい!それは、約15年前ネットを始めて最初に出来たネット仲間達と交わしたメールをプリントアウトしたものを、ホッチキスで留めて粗末ながらも冊子状態にしたものでした。あの当時はネット上で出来た仲間達とメールを交わすことすら新鮮でワクワクするくらい楽しかったのでしょうね。(笑)基本的にズボラな私がわざわざメールをプリントアウトして綴じて保存したりしてたんだから!

 パラパラと綴じられたメールを読み返してみると、懐かしいハンドル・ネームやら、懐かしい文体やら...そこには、あの当時、私たちの間に起こった数々の出来事やら、時にネットの掲示板という括りを越えて、メールを交換するに至るまで真剣に話し合ったことやら、楽しかったオフ会のことやらの断片がいっぱい詰まっていて、ちょっとだけですが、目頭が熱くなりましたね。

 そんなメール群を読み返してる中、そのネット仲間の中心的存在だった女性から、あのネット仲間のグループ内で催された初めてのオフ会の翌日に貰った(参加者全員に送ったと思われる)お礼のメールにあった一節が、やたら印象に残りました。

楽しかったと同時になんだか凄く不思議な気分で過ごしました。

でも、今は、この「不思議」を大切にしていたいと思います。

  その後、あのグループでのオフ会も、規模の大小はありましたが私が憶えてるだけでも6、7回は開かれ、グループから「不思議」がほぼなくなった頃、あの人は我々グループのベースであった掲示板に姿を見せなくなりました。リアルで彼女と親交のあったグループメンバーも言っていたように、お仕事の方がかなり忙しくなってきていたのも事実なのでしょうが、かつてはどんなに忙しくとも、仕事で帰りが遅くなろうとも、必ず掲示板にはいくつかメッセージを残していく彼女でしたからね... それが我々が知り合ってから2年近く経った頃だったかな。ある意味グループの太陽であったその女性が姿を見せなくなって、そのグループは徐々に衰退し、そのまま終焉に向かいはじめました。

 住んでる場所も、職業も、趣味嗜好も違う顔も知らない者同士が、インターネットを通して知り合い、掲示板やチャットを通して他愛もない会話を交わしているうちに仲間意識が芽生え、やがてモニター越しでは物足りなくなり、実際にオフラインで会い、交歓するようになる...という「不思議」な楽しさは、1990年代後半にネットに触れた人の多くが体験しているんじゃないかと思います。そして、それが長く続く種類の楽しさではなくいつか卒業する時がくるものだということも。

 なんか、懐かしさと同時に、「不思議」な楽しさが終わってしまったことに気付いた時の寂しささえも思い出してしまった本日の夕刻でありました。(苦笑)