久しぶりに通った通りの道すがら、遠い昔の懐かしい思い出が頭を過った。その通りには小学5年から中学あたりまで仲良くしていた友達（Bとする）の一家が住んでいた家があるからだ。Bの家族はずいぶん昔に引っ越してしまい、今は別の人が暮らしているその家。壁を塗り替えたり屋根瓦が変わったりはあるがそれ以外はあの頃の外観のままだ。
中学2年～3年の頃、たまにこの家に遊びに行った時にBの部屋で聴かせてもらった数々の音楽が、私の音楽好きとしてのルーツの一つとなっているのはほぼ間違いない。YMO、プラスチックス、シーナ＆ザ・ロケッツ、RCサクセション、横浜銀蝿、アナーキー、ロッド・スチュワート、チープ・トリック、レッド・ツェッペリン、レインボー、ディープ・パープル、TOTO...
少々脈絡のないラインナップに見えるのは、Bが学年の中でも流行に敏感だったり、やや尖がってたりする階層の子達と付き合うのが好きな傾向があって、彼らと話を合わせる為にレコードを買ったり、そういった連中からレコードからダビングしたカセットテープを貰ったりしていたからだ。Bが実際に好んで聴いていたのは松田聖子や河合奈保子といった当時の人気アイドル歌手たちであった。だから「このバンド、どんなバンドなの？」みたいな質問を私がしても、せいぜい「これから売れるかもしれないバンド」とか「イギリスのハード・ロック・バンド」といったあまりに簡潔すぎる答えしか返って来なかったな。(笑)
お互い別々の高校に入ってからは会うことも連絡し合うことも全くなくなってしまった。だから、Bがその後、音楽好き、ロック好きな少年に育っていったのかどうかはわからない。元気でいるかな？
