空中散歩ブログ

そらなか004の思い出の保存庫です

案外忘れないものなのだな

 三日前の話になるが、交差点の横断歩道を渡っているときに何気なく右側を見ると、停車している車の運転席に座っていたのは20代の頃に勤めていた会社の先輩だったということがあった。直に顔を見るのは20年ぶりになるのかな?自転車を押して車の前を通り過ぎるほんの十数秒の間のことであったので、会釈のひとつもなし。それどころか相手の方は私に気づいたかどうかもわからない。

 ずいぶん昔、この先輩には3回ほど貸したものを借りパクされた。確か吉田戦車の「伝染るんです」の一巻と二巻だったと思うが、漫画の単行本二冊、矢沢永吉のベスト盤のCD、松任谷由実のベスト盤(これもCD)。案外憶えているもんだな。

 とはいえ、貸した当時の時点でどれも自分にとっては既に不要なモノとなっていたので、別段迷惑をこうむったという気持ちはなかった。それどころか譲ったような感覚でいて、特に返還要求もしなかったと記憶している。ただ、その先輩から、その四点の品を自分から借りっぱなしになっていることについて、その後、詫びは勿論言い訳のひとつすら一言も言われたことがなかったなぁ...ってことが、今も頭の片隅に残っているだけ。

 借りていることをコロッと忘れてしまっていたのか、それともこの先輩に若き日の私は舐められていたのか、どのみち今となってはどうでもいいことではある。今夜、Twitterのタイムラインで、「昔、バイト仲間にCDを10枚くらい貸してたのだが、そいつが突然バイトを辞めてしまい、以降連絡が取れず、CDは帰って来ずじまいだった」っていう様な、CDを借りパクされた思い出についてツイートをしている人を見かけて、「ああ、そういえば俺も、昔、一昨日見かけたあの先輩に...」と思い出してしまった次第。