実を言うと、ジョン・コルトレーンのソプラノサックス、マイルス・デイヴィスのミュートプレイに並ぶくらい、初めて聴いた時から忘れられない音色であり続けているのが、ポール・デスモンドの独特の耳ざわりのアルトサックスなのだ。
長年にわたって所属していたデイヴ・ブルーベック・カルテットや↑これに代表されるソロ作は、先のコルトレーンやマイルス同様に、ジャズのマイ・ブームが自分の中で起こり、ジャズのCDを買い直そうって時に真っ先に手を出してしまう。
繊細で脆そうにも聴こえるけれど、(当たり前だが)決して崩れ落ちることはなく、いつしか聴く者をその音色で捕えて離さなくなる。そういうプレイをずっと維持できる強靭さ。それがポール・デズモンド。