音楽では意外とそういうのってないんだけど、それ以外のジャンルでは大人になってから初めて触れて、「これ、十代の頃に出会ってたら受け止め方も違っていたかもしれないな」って思ったものはありますよ。その代表的なものは、寺山修司さんという存在とか、サガンの小説「悲しみよこんにちは」、ザ・フーによる同タイトルのロックオペラを原作とした1979年のイギリス映画「さらば青春の光」かな。
寺山さんは、ひたすら同じ時代を生きたかったなと思うばかりだったし、「悲しみよこんにちは」は、30歳少し手前の歳になって初めて触れたせいもあってか、セシルの思春期の女の子特有の残酷さすらも眩しいばかりだったし、「さらば青春の光」は、20代半ばの頃に、映画館で観る機会を得ることとなり、「ザ・フーのファンとしてこれは観ておかなければ!」って気持ちで観に行ったのだけど、モッズと呼ばれた(名乗った?)若者たちの生態、ザ・フー、ピート・タウンゼントという名前、そういったものを越えて、私の心に訴えてくるものは残念ながらなかったですね。