日付は変わってしまいましたが、本日(7日)ネット上で観た貴重な映像の話を...
ザ・バンドが1976年7月20日に米ニュージャージー州のアズベリー・パークにあるCasino Arenaで行ったライヴ。当日のフルセット映像約80分がYouTubeに http://t.co/7FEMCteieQ
— amass (@amass_jp) 2014, 4月 7
ザ・バンド(The Band)が1976年7月20日に米ニュージャージー州のアズベリー・パークにあるCasino Arenaで行ったライヴ。当日のフルセット映像約80分がYouTubeに。
1. Introduction 0:00
2. Don't Do It 1:09
3. The Shape I'm In 6:01
4. It Makes No Difference 10:13
5. The Weight 17:16
6. King Harvest (Has Surely Come) 22:00
7. Twilight 25:36
8. Ophelia 29:22
9. Tears of Rage 33:03
10. Forbidden Fruit 38:45
11. This Wheels On Fire 45:00
12. The Night They Drove OI' Dixie Down 48:53
13. Genetic Method 52:53
14. Chest Fever 57:12
15. Stage Fright 1:01:54
16. Up On Cripple Creek 1:06:30
17. The W.S. Walcott Medicine Show 1:12:07
18. Life Is A Carnival 1:15:44
The Band Live At The Casino Arena 7/20/76 ...
こういう1時間を越えるような長尺モノの映像は、存在を知った時点で「よし、観るぞ!」という勢いと気合で観ないと大概ダメですね。(笑)とりあえずブックマークでもしておいて、「後で...」とか「そのうち時間のある時に...」なんてやってると結局、観ないままなんてことも多いです。
で、本日、私は「よっしゃ!観るぞ!!」の気合で、この60年代~70年代の米国ロック界の至宝であり、同時期に活動していた英国をはじめとする世界中のロック・ミュージシャン達からのリスペクトを受けていた名グループであるザ・バンドの1976年のライブの視聴を楽しみました。
1976年といえば、後に映画『ラスト・ワルツ』になった、米国サンフランシスコはウィンターランドでのコンサートを持って、オリジナルのザ・バンドが解散した年(後の1980年代に、ギタリストでバンドの殆どの曲を作っていたロビー・ロバートソン抜きで再結成)。それが11月だから、この映像は遡って解散を控えた4ヶ月前のライブ映像ってことになります。
80分のモノクロ映像。私としてはカメラワークを絶賛したい。(笑)ザ・バンドの映像の場合、ステージの端の方でグランドピアノ(場所とるからね)を弾いている関係上、どうしてもリチャード・マニュエルが映ることが少なくなってしまうのですが、この映像ではリード・ヴォーカルを取っている時以外でも(ピアノに向かう後姿も含めて)リチャードにカメラが向くことも多く、それがまず嬉しかったですね。私はリチャード・マニュエル贔屓ですから。結構な割合で彼がグランドピアノのすぐ横に置いてあるエレピを弾いているところなんて、私はこの映像で初めて観ましたよ。
それから、9曲目の"Tears of Rage(怒りの涙)"で聴けるリチャードのふりしぼるような絶唱は、この映像の個人的ハイライトだな。彼のヴォーカルをフィーチャーした曲が多いセットリストなのもまた嬉しいところ。
リック・ダンコ(ベース、ヴォーカル)の若々しく溌剌とした歌唱。名ドラマーであり、名シンガーでもある超人、彼なくしてザ・バンドは有り得ないといっても過言ではないバンドの「声」であるリヴォン・ヘルム。そして前述の、強面な外見と野太いだみ声歌唱とは裏腹に非常に感傷的な性分だったと言われるリチャード・マニュエル。バンド・サウンドに深みと奥行きをつける名脇役ガース・ハドソン(各種キーボード、サックス)。そしてバンドの頭脳で名ギタリストのロビー・ロバートソン。この5人で織り成されるステージは、彼らが残してくれた名曲群とともに、本日の私に至福の時間を与えてくれました。様々なゲストが登場したり、ビッグ・バンドがサポートについたりしていた映画「ラスト・ワルツ」で観た(とはいえ私は、昔、所持していたVHSで観ていただけですが)ザ・バンドより、今日観たこのモノクロ映像でのザ・バンドの方が、私は好きだな。
いつまでも聴き続けたい、その音楽を愛し続けたいザ・バンドであります。見てくれやサウンドが刺激的だったり、時代と併走していることだけがロックじゃないことを私に最初に教えて暮れたのは彼等でした。