つい先日のこと、かなり久々にウイントン・ケリーの『ウィスパー・ノット』を買い直した。私の元にこの作品が戻ってきたのは、20年以上ぶりだと思う。多分、私に最初にジャズのマイ・ブームが訪れていた頃以来。
思い出せば、ウイントン・ケリーの小気味良い調子で弾んだり転がったりするピアノに惹かれたのも、ケニー・バレルのギターに出会ったのも、ジャズの編成にドラムレス・トリオって形態があるのを初めて知ったのもこのアルバムだった。
私にとって忘れられない1枚なのだが、前述のように何度か起こったジャズのマイ・ブームの中でこの作品を手にすることはなぜか無かった。今となっては不思議。強烈なインパクトでもって耳に迫ってきた種類の作品ではなかったからかね?