空中散歩ブログ

そらなかのちょっと長い呟きです。

反復

 ジャーマン/クラウト・ロック・バンド、Canが1970年冬にドイツのゾーストで行ったコンサートの映像約80分がYouTubeに。映像はドイツのTV番組『Rockpalast』で当時放映されたもののようです。

  上記ツイートのURL先の動画は、途中で映像や音が途切れるような箇所があったので、同じ動画投稿者による完全版のような下の動画をお勧めします。(中身は同じです)


CAN - Soest, 1970, Winter Mixed Media Show ...

 ロックの洗礼を受けていない1930年代生まれで、クラシック、現代音楽の分野に身を置いていた3人の学術肌のミュージシャン〔ホルガー・シューカイ(ベース)、イルミン・シュミット(キーボード)、ヤキ・リーヴェツァイト(ドラムス)〕。ロック世代ながらもその方向へは進まず、前述3人の内のひとり(ホルガー・シューカイ)の生徒だったギタリスト〔ミヒャエル・カローリ〕。ヨーロッパ各地をバスキングしながら放浪していて、滞在先のドイツで前述4人にバンドの二代目ヴォーカリストとして誘われ加入した、音楽活動の経験のない日本人ヒッピー〔ダモ鈴木(ヴォーカル)〕。

 そんな5人からなるクラウト・ロック・バンド「CAN(カン)」が生み出した汗のにおいのしない反復のグルーヴに夢中になった時期って、エモーショナルな音楽を耳にするのが、なんだかしんどく思えてた時期だったように、今から振り返ると思います。で、エモーショナルでソウルフルな音楽が欲しくなり、再びそういった音楽に浸かるようになると、CANへの熱はすっかり冷めちゃって省みることもなくなってしまったのでありました。CDもいつのまにか手放しちゃってたな。

 上に貼り付けたツイートがきっかけで5年ぶりくらいに触れたCANの音楽。ライブ映像。モノクロの世界が実に似合う、見る者聴く者を決して巻き込むことはないけど、確かにそこに存在している、渦のような反復のグルーヴ。フロント・マン/リード・シンガーという立ち位置ながらもステージをリードすることなどなく、むしろプレイヤーと共に渦の中にいるといってもいいダモ鈴木。クネクネしたステージ・アクトもせいぜい渦の中に見えた曲線って程度。彼もあくまでステージで反復のグルーヴを生み出す一人。

 いやあ、やっぱり面白いバンドだわ。バンドとしての佇まいも、音楽も、ステージも。無機質とも取れる反復のグルーヴに浸る心地よさを数年ぶりに味わって、彼等のCDをすべて手放しちゃったことを今更ながら口惜しく思ってしまった今宵でありました。いつか買い戻さなきゃな。